・DEQXの音を聴いて頂いた方々の感想をそのまま掲載させて頂きました.また,実際に導入された方で,このページへの掲載をご了解頂いた方々のシステムと試聴リポートを掲載させて頂きました.

Kurizz-Labo 

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2008年5月17日>


大阪のT氏がDEQXを導入され、一昨日、納品と設置調整をしてきました。
 そして本日、T氏からお便りを頂きましたので、そのまま掲載させていただきます。



 DEQX
の導入は結論として大成功でした。

今日までにも様々な機器の入れ替えを行って来ましたが、ここまでの音質改善を実感することはなかった様に思います。

具体的なことを書く前に、今回の成果は栗原さんの長いプロとしての経験に裏打ちされた鋭く音を聞き分ける耳、そして設定に当たっての昨今では得がたい栗原さんの人間的な誠意と熱意の集積があってのことであることをまず申しておきたいと思います。商売だからとはいえ、素晴らしい対応をしていただきました。

今回のDEQXの設置や調整の過程で、既存の装置の設定ミスやピーカーの不具合なども見付けていただき、それらの再設定や根本的な対策を丁寧に行っていただきました。

さて肝心の音ですが、長くオーデイオをやってきて、人並に雑誌やその他で評判の良い機器などを手に入れては入れ替え、それなりの改善を試みて来ました。

こうした改善は、こもりのない、水道の蛇口から水がほとばしり出るような音を目指してきて、それなりの成功をおさめたのですが、考えてみればこれはスピーカーからの直接音や音色についての改善であって、実際のコンサートホール、特にオーケストラが演奏を始めた瞬間に感じるあのなんとも言えない音の浮揚感や柔らかさ、そして感動が不足していることに気が付きました。

そして、この感動をDEQXがくれたのです。

やわらかい音、硬い音、重たい音、軽い音、渋い音、きらびやかな音などの全てが再現され、実演のホールの音と雰囲気を部屋一杯に再現してくれます。

音の歯切れ、特に低域の歯切れは素晴らしいものがあります。多分どのようなアンプやスピーカーを使っても必要な音はある程度は出ているのだと思います。でも部屋の不要な反射や吸収などの影響でその本当の音が耳には到達してないのかもしれません。

DEQXの室内音響特性の補正はこうした悪影響を取り去り、リスナーの耳に必要な情報をきちんと届けることができるようになったのではと想像します。

機器をより高価なものに取り替え、接続ケーブルに一喜一憂するというのがオーデイオへのこだわりのように喧伝されていますが、本質はスピーカーの特性の基本的な改善や部屋の調音ではないでしょうか。

実は、こうした補正機能を持つ製品も世界には色々あり、自分でも実際に試して来ましたが、結果(音)に対する保証はなにもありませんでした。

でも、DEQXにはそれがありました。

                        有難うございました。

                               竹田

今回は本当に嬉しいお便りを頂き、恐縮しております。
  こちらこそ、ありがとうございました。



改めてT氏のシステムをご紹介させていただきます。→ PDF
 また、調整当日の写真を掲載させていただきます。


         
             
<T氏システム全景>

         
          <T氏システム/プレーヤーとアンプ>

         
      <T氏システム/SPの裏側に置かれたパワーアンプ群>

         
         <T氏システム/5Wayスピーカーシステム>

         
        <T氏システム/DEQXで測定中のSPシステム>

         
          <お気に入りのCDを装填されるT氏>




<2008年4月28日>

今回は少し変わったレポートをお届けします。
既にこのページにご登場いただきました
徳島のIno様 から大変嬉しい頂き物をしました。

それはRCAプラグとジャック(ピンジャック&ピンプラグ)の清掃用具です。
2月7日にお伺いしたときにジャック側センターピンを清掃するように、と、歯間ブラシを頂きましたが、この時「いずれ、ちゃんとした清掃用具を送ります」と言われていたことを思い出しました。良くも忘れずに・・・・

私の方は申し訳ないことに、完全に忘れていたところに、昨日、封筒が届き、裏を見ると歯科医院の名前がありました。・・・はてな?そろそろ歯垢取りのお誘いかな。などと思いながら開けてみるとびっくり。写真のようなステンレス製の筒にボルトが刺さったものが出てきました。その瞬間に「あ、Inoさんだ」と合点がいきました。

         

さっそく、あまり抜き差ししていないアナログプレーヤーのプラグとジャックを丁寧に清掃してみまたところ、いやはや、効果てきめん。まさにホコリ(錆でしょうか)が落ちたようなフレッシュな音に生まれ変わりました。歪み感が取れてすっきりした音に変貌です。

改めて器具を見ると、もちろん完全な手作り。ステンレスパイプを切断してコネクターに接触する部分には全てセーム皮(でしょうか)が貼ってあります。こんな細かい作業ができるなんてさすが歯科医師様ですね。
使ってみると、その製作意図が見事に活かされ、パイプ側でジャックの外側(アース)をクリーニング。ボルトに付いている方はプラグ側がホットもアースも一辺に清掃できます。
残るはジャック側のセンターピンを特製の歯間ブラシで清掃すれば全ての接点のクリーニングが完了です。

次々に磨いてみたい衝動に駆られましたが、DEQX関連のコネクターはかなり頻繁に抜き差ししているので、この次は何か多少の液体を含ませてじっくりと拭いてみようと思います。

今回の経験から教えられることは、少なくとも1年以上も抜き差ししていないコネクターはきちんと清掃して接続し直すことで音質に大きな影響があると言うことです。
何しろ接点は微妙ですし、空気にさらされる部分は特に注意が必要です。
判ってはいても、ついついという方も多いのではないでしょうか。

1本○○万円の特製オーディオケーブルに変えたら音質が激変・・・・という方はもしかするとケーブルを交換したことで一気に接触不良が解消した結果かもしれませんよ。一度コネクタの清掃をしてみてはいかがでしょうか。

Ino様、本当にありがとうございました。
現在、400リットルボックスを製作中とのこと。出来上がりましたらまた聴かせて下さい。

この度は、貴重な、そしてオーディオシステムの原点を教えていただき、本当にありがとうございました。
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<2008年4月21日>

大阪市のT氏からデモの依頼があり、さっそく先週末にお伺いしてきました。
T氏はハワイにご自宅があり、アメリカで事業をなさっているという方で、オーディオシステムも大阪の自宅とハワイにそれぞれセットされているという羨ましい限りの環境でした。

氏は、オーケストラ物を中心にクラシックを楽しまれていますが、アメリカ滞在中は奥様とご一緒に日常的にコンサートに足を運ばれて生演奏を楽しまれているというとても素敵なお話しでした。

大阪のお宅には写真のようなシステムをセットされ、生の演奏の迫力が感じられる程の音量で奥様とご一緒に楽しまれているとの事でしたが、奥様の唯一の悩みは早朝からマーラーが鳴っていることだそうで、せめて朝はモーツァルトにしてくれればと仰っておられました。(ご主人には内緒ですが)

写真には写っていませんが、5Wayのスピーカーシステムをドライブするパワーアンプ群はスピーカーの後ろにセットされていました。
構成は300BのアンプでALTECの416-8Aを駆動し、TADの4001とエール音響のドライバー(
7550)をAir Tightの300Bアンプで、更にエール音響の高域用ドライバーとスーパーツィーター(GEM ミュオンのリボン型)をラックスのM7でドライブされていました。

そして、EMMのCDプレーヤーと、アナログディスクはドイツのトランスローター製(エミネントカートリッジ)で再生するという豪華な組合せです。
ちなみにラック左側の一番下にDEQXが見えています。

今回のデモではDEQXを3Way構成にセットし、ALTECの416-8AとTADの4001をダイレクトに駆動。DEQXの高域出力をAccphaseのDF-35で3Wayに分割して合計5Way構成としてデモをさせて頂きました。


    

今回のDEQXデモを試聴をされたご感想を帰宅後にメールで頂きましたので、ご紹介させていただきます。

    

との嬉しいお便りを頂きました。T氏はパワーアンプの調整をした後で、もう一度改めてDEQXの効果を確かめたいとのことで、近々再度お伺いする予定です。
その時は改めてレポートを掲載させて頂きます。
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<2008年2月23日>
 昨年末にオーダーを頂き,2月9日に納品させて頂きました東京都板橋区のM氏からご感想のメールを頂きましたのでご紹介します.
 M氏はDEQXにゼロからで取り組まれ,僅か2週間後には嬉しいお便りを頂きました.

    

    

 M氏の感想文の中に「反射波の立ち上がりの部分・・」という記述がございます.
 これはDEQXの調整を行う上で一つの
重要なポイントとなりすので,ここで少しご説明をさせて頂きます.
                     
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<2008年2月16日>

 山梨県のF氏からその後のお便りを頂きましたのでご紹介します.
かなりの長文・力作ですので,PDFでご覧下さい.

              

 
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<2008年2月11日>

 昨年末の12月23日にDEQX調整にお伺いした千葉県のS氏から1ヶ月半ぶりにお便りメールを頂きました.
 MJ誌3月号のスピーカーシステム製作記事を見たよ!とのお便りでしたが,その中でDEQXのその後についての感想も頂きましたのでここにご紹介させていただきます.


           

           

           

<2008年2月11日


●2月2日にDEQXを導入された横浜市のMH様から届いたメールをご紹介します.


    
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<2008年2月7日>    京都/徳島/鳴門 巡礼記

2月3日(日)に京都のM氏宅でDEQXのデモをさせていただきました.その後,徳島に行ってDEQXユーザー様宅(3カ所)にお邪魔し,DEQX導入後のシステムを聴かせていただきましたのでそのリポートも合わせてご覧下さい.

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京都・M氏宅のシステム全景(詳細は氏のブログを参照して下さい)



JBLの4350に惚れて30年という氏のシステムは最近になってMid Bassのユニットを最新型のものに更新されました.もちろん,Woofer Unitの振動板なども5年ほど前に全て新品に交換されているとの事でした.

JBLのスタジオモニターは4343型が1式,現役時代の局のスタジオに導入され,私も実際に使用してミキシングをしていた経験があります.
当時,かなり多くのオーディオファンがこのシリーズを自家用として導入されたようですが,ホームユースとして本当に満足のゆく再生を達成された方はそれほど多くはいらっしゃらないと思います.

当時としては極めて優れた特性を持つユニット群を巧みにアッセンブルしたプロ用のモニタースピーカーシステムですが,私としては「毛並みの良いじゃじゃ馬」的なイメージがあり,これを家庭用として調教する自信はありませんでした.もちろんお金もありませんでしたが・・・・

そんな経緯から,まずは氏が4350で構築されたサウンドをじっくりと聴かせて頂きました.一言で言えばこのシリーズのスピーカーからこんなにも精緻で「音楽」が美しく聞こえてくるシステムは今まで聴いたことがありませんでした.

       

この音を達成された氏のこだわりは並のものではありません.その一つを上の写真が物語っています.これは氏が自作されたパッシブ型のプリで,セイデンのロータリーロータリーSWと東京光音のアッテネータを使うところまでは誰でも行いますが,その工作と仕上げの美しさは一級品です.(今はメイン装置としては使用されていません)
「美しくない物は嫌いです」という氏の言葉はこれを見ただけで納得です.
音も突き詰めれば各々の装置からトータルな「美」を如何に引き出すか,が勝負だと思います.装置に求める美とそこから紡ぎ出される音の美には共通点があります.
美しくないものから美音が出ることもたまにはありますが,美音を奏でる機器はその内部を含めて確実に美しいフォルムをしています.

さて,オリジナル状態でのサウンドを聴かせて頂いた後,DEQXを挿入してのヒアリングとなりました.
氏のご要望で現在のシステムはそのままにしてDEQXの効果を確認したいとの事でしたので試聴はCDプレーヤーのアナログ出力をDEQXに入力し,DEQXのアナログ出力をプリアンプに戻すという方法で行いました.

氏は4350を完全なマルチアンプ方式で駆動されていますが,さらに2本のウーファを切り離し60Hzでクロスさせた5Way方式とされていました.(SP-BOX上のスーパーツィーターは今回は使用していません)
チャンネルデバイダーはAccuphaseのDF-45と低域(60Hz)用にはベリンガーのDCX2496(だったと思いますが)を使用されています.
既に各チャンネルデバイダーのタイムアライメント機能をフルに使用して,精密に合わせ込んでおられるとのこと,再生された音からも高いレベルでチューニングされていることが良く解りました.

こうなりますと,DEQXの役目はプリアンプ,タイムアライメント機能をフルに使った2台のチャンネルデバイダー,パワーアンプ,そしてスピーカーに至る全ての経路を含めたトータルな特性(周波数特性,位相特性,群遅延特性等)をどこまで補正できるかという事に掛かってきます.
正直に言って,ここまでチューニングされたシステムで劇的な変化が起こる事は想像できない状況でした.

●ここでDEQXのインストールレベルのお話を少しだけさせて頂きます.

●DEQX本体とキャリブレーション用のソフトウェアは一種類だけですが,DEQXの機能を再生システムとしてどこまで利用するかという事でインストールレベルが決まります.

●DEQXの機能をそれぞれの要素として見ると

A.プリアンプ機能
B.D/A機能
C.Media Correction機能
D.Room Correction機能
E.Speaker Correction機能
F.Activ Linear Phase Mains Crossover機能
G.Subwoofer / Bass MaNamimigement機能
という7つに分類できます.

●これらの機能のどれを使ってシステムを組むかという事が「インストールレベル」です.

レベルとしては

1.Basic Lebel
2.Basic + Room Correction Level
3.Mid Level
4.DEQX HD Definition Level
という4段階になります.

●Basic Levelは次のようなシステムの場合で,右側にあるチェック項目はそれぞれのレベルで使用されるDEQXの機能を示しています.


2番目は上記と同様ですが,ルームコレクションまで行った場合です.
3番目のMid Levelは2番目のレベルにさらにスピーカー補正を行った場合です.

●4番目のDEQX HD Definition Lebelは下図のようにチャンネルデバイダーとベースマネージメント機能を利用したフル機能システムとなります.
(いわゆる本格的な3Wayマルチアンプ方式もこれに相当します)



●このシステムの場合,スピーカーシステムがLCネットワークを内蔵している場合は少なくとも各帯域を切り離して使える物でなければなりません.

●最終的にはスピーカーシステムに内蔵されているLCネットワークを取り外し,各スピーカーユニットをダイレクトにパワーアンプで駆動するのが最高のパフォーマンスを発揮する方式となります.

●スピーカーシステムを自作される場合,はじめからこの方式を採用されればネットワークに関する様々な制約から解放され,各ユニットの性能を100%発揮させることが可能です


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●様々なお客様のシステムに導入させていただいた私の経験からはDEQX以降のシステムがシンプルなほどキャリブレーション機能が最大限に発揮され,結果的として精密に補正出来ることが判っていますので今回のM氏宅でどこまでの改善効果が出るか,相当不安がありました.

全ての調整を終えた時点で時は既に徳島行きのバスに乗る時間となってしまいました.そこで最後に女性ボーカルを一曲だけ聴かせていただきました.結果は予想した通りで,DEQXよる補正効果は極めて微妙なものでしたが,それでもバイパスから補正(全て自動的な補正のみ)モードに切り替えると,私の耳には平面と奥行き方向の定位感,そして音像のサイズの点で明らかに変化(向上)することが聴き取れました.

残念ながらM氏宅でのDEQXの効果について,私自身は十分なヒアリングは出来ませんでしたので,最後に帰宅後にお送りいただいたM氏のメールの一部分をご紹介させていただきます.

PDC-2.6Pは、私が言うのもおこがましいのですがシステムも部屋もかなり追い込まれた条件下では、劇的な変化はないのではないかと思います。
でも、皆さんが帰られてからの試聴で、補正後のサウンドは確かに効果を認めざるを得ない印象を持ちました。


更に氏のブログの最新版には

リスニングポイントによる補正は、やはり楽器の存在感やオーケストラのプレゼンスの向上に大きな効果が得られた。

との記述がありました.M氏のシステムの音質向上にDEQXが少しだけでもお役に立てれば望外の喜びでなのですが・・・・

軽井沢を始発で出発し,新幹線を乗り継いで午前11時にM氏宅に到着.午後4時までの5時間にわたって,音を聴かせていただき,オーディオ談義に花を咲かせるというオーディオファンとしてはたまらなく贅沢な一時を過ごさせていただきました.

最後に今回のデモ試聴に参加していただいた皆様(左から2人目がオーナーのM氏,左側の方は神戸で10chマルチの超弩級システムを組まれているT氏,一番右側はリスニングルームの設計で有名な石井伸一郎氏)をご紹介させていただいてレポートとします.
ありがとうございました。

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<徳島 Ino様宅>

M氏宅を後にして,京都駅から高速バスで3時間,午後7時半には徳島駅に到着しました.ホテルの中華料理屋で夕食を御馳走になり,早速徳島市内で歯医者を開業されているIno氏宅へ向かいました.


I
ビルの4階にIno氏宅のシステムがありました.かなり独創的なシステムです.

まずスピーカーシステムはフォステクスのユニットを複数個使用した低域用の2Wayシステムと,ホーンスピーカーを使用した中高域用の3Wayシステムを組み合わせて全体を5Wayで構成されたものです.

駆動するアンプは全て手作りの真空管式OTLアンプを中心にシステムを組まれていました.

導入されたDEQXは低域の2WayをDEQX内蔵のクロスオーバーで直接駆動し,高域はDEQXのHi-ch出力を真空管式のアクティブクロスオーバーに入力して各ホーンユニット用に分割しています.

最初にオペラの一部分を聴かせていただきましたが,歌手の声がステージ上に等身大で現れ,朗々と唄っている姿がスピーカー間に浮かび上がりました.
サウンド自体も極めて独創的な感じですが,劇場の最後部で聴くオペラの雰囲気が良く伝わってきました.(もう少し近くの席で聴きたい感じもしますが・・・・笑)

システムの成り立ちを熱っぽく語られるIno氏はついにアンプの中まで開けて見せてくださいました.

(アンプの左側(氏の右側)に写っている巨大なトランスを覚えておいて下さい)


6R-A3を使ったOTLアンプは内部に小形のコンデンサーが大量に投入されています.
氏のお話ではパワーアンプの電源を切って1~2週間後にコンデンサーに触れるとしびれるとの事.電源スイッチを切ってもコンデンサーがディスチャージする前に真空管がOFFとなり,いつまでも放電されないのでしょうね.(少々危険な感じもしますが・・・)

     

5Way用のアンプ群(下).



Ino氏のシステムに組み込まれたDEQX(上)と,ステンレスを削りだしたというホーンスピーカー群(下).
中高域用のホーンはご自身で漆喰を使ってデッドニングされたとのこと.開口部の外側に見えるのは自転車のリムを利用した補強材.



Ino氏の悩みはピンプラグの接触不良が頻発することだそうです.原因は階下に歯の治療室と歯科技工士の作業場があり,ここで発生する様々な成分のガスが4階のリスニングルームにまで入り込み,プラグを腐食させるためではないかとのことでした.

実はオペラのCDを聴かせて頂いた後で,持ち込みのCDを掛けて頂いたところ,女性ボーカルが完全に右側に寄っているので思わずシステムに近づいて各ユニットの音を聞くと,左側のホーン群が3本揃って眠っていました.

この症状だとDEQXからチャンネルデバイダーに行くラインケーブル(ピンプラグ or ジャック)のトラブルだと思われます.

この状況に慣れていらっしゃるのか,ご本人に驚いた様子はなく,やおら取り出したのが下の写真にある「歯科医院専用」と書かれた特製の歯間ブラシ.

ピンジャックのジャック側センターピン用の穴を磨くには最高とのことで,私にもプレゼントして頂きました.貴重な物を本当にありがとうございました。


             

Ino氏のシステムを見て,聴いていると,3~40年前にタイムスリップしたような不思議な感覚が呼び覚まされます.最初に聴かせて頂いたオペラになぜか「ホッとする」ものを感じるのは私だけではないと思います.

研ぎ澄まされた超現代的なサウンドの対極にある音かもしれませんが,そこには紛れもない「音楽」がありました.

氏の悩みはピンジャックの接触不良を除けば100Hz以下の帯域のプレゼンスとのこと.
羽のように軽く,しかも最低域まで伸びた低音が欲しい.と言われていました.
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<徳島 Niki氏>

Ino氏宅から歩いても数分の所に次の訪問先であるNiki氏のシステムがありました.
システムの詳細は氏のブログをご覧下さい.

Niki氏のシステムは倉庫(Warehouse)セットされています.オーディオルームの第一要件である遮音はほぼ完璧!空間もたっぷりあり,Jazzyな雰囲気が漂っていました.



Niki氏と実際にお会いするのは今回が初めてです.メールやお電話の中の氏はクールな情熱家というイメージであり,オーディオだけでなく,ライブもレコードもCDも楽しむ音楽ファンであり,貴重盤のコレクターであり,カーマニアであり・・・・
少なくとも30代,もしかすると40代かなと思っていましたが,(すいません)大きな間違いでした.(実際は20代・・・?)

私は今年の10月に還暦を迎えますが,Niki氏と話しをしていると,今時,この若さで,こんなにもバランス感覚の良い人がいるのだろうかと感心してしまいます.このバランス感覚は物事に対する考え方や,人との接し方,システムの音,愛車など,全てに現れているような気がします.

氏が構築したシステムのサウンドを聴けばこのバランス感覚の良さが直ぐに判ります.
ALTECの620A(604-8Gユニット)からは再現されるサウンドは,これでなければ出せない音の香りと,時代を感じさせる少々の欠点(魅力)を残しながらも,確実に現代に通じる汎用性を持った高いレベルにチューニングされています.

一つの製品に惚れ込み,その良さを最大限に引出し,欠点を補い,自分のサウンドに仕上げていくことの大切さをここでも改めて思い出させてくれました.


<EMTのアナログプレーヤー,ALTECのパワーアンプ.マッキンのプリとパワー,等々の機器群>

氏がDEQXを導入されたきっかけは,あるレコードに刻まれていたワンフレーズがDEQXによって初めて聞こえた瞬間だ.と言っておられました.
この「ワンフレーズ」へのこだわりが,氏のシステムに対する飽くなき追求の原動力なのでしょうね.

        

しかし,氏の装置は我々団塊の世代がその昔に憧れた名器であり製品群です.なんで20代の彼があえてこうした機器を選んだのかは大きな謎です.ご本人には伺っていないのですが多分好きな音楽のジャンルが彼にこのシステムを選ばせたのだろうと推察しています.


後日頂いた氏のメールに次のようなコメントがありましたので掲載させていただきます.


「もともとは親父の装置です。(C28・MC2300・ALTEC604-8G+620A) 」
「ALTEC1593BとEMT950、SA11S1は自分が買いました(笑)」

との事でした.失礼しました.お詫びして訂正致します・・・・NHK
お父様のAudio熱も相当なものだったようですね.蛙の子はカエル.血は争えませんね.


マッキンのアンプの横にはここにも巨大なトランスが鎮座しています.どこかで見たような感じがしますね.

時は既に10時を過ぎ,アートペッパーやソニーロリンズのLPをこのシステムで聴いているとヴィレッジバンガードに通った頃を思い出し,ついつい水割りが欲しくなるから不思議です.煙草の煙とバーボンが似合う素敵な空間でした.
(ここで聴くべき一枚を忘れました.「ヴィレッジヴァガードのビル・エバンス」を)

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<鳴門 Nami氏>

Nniki氏のシステムと夜の11時過ぎに別れを告げて,車で20分ほどの鳴門のホテルにチェックイン.そのまま外出して一路(車で5分)のNami氏宅にお邪魔しました.

Nami氏はAUDIO BASIC誌に掲載されたDEQXの紹介記事(2007 Autumn号の三浦氏のレポート記事)を読まれて興味を持ち,デモ機の試聴を申し込まれました.
電話で何度かやり取りをしながらご自身で測定・調整をされて効果の片鱗を感じられ,直ぐに導入されました.
でも,氏のスピーカーシステムは写真のようにまさに現代の最新鋭機.いったいそのサウンドのどこが不満なのか,それは氏と前掲のNiki氏が友人であったことが要因のようです.

Niki氏の音を聴いた後でご自分のシステムを聴くと,そこにはあの雰囲気が感じ取れないと言われます.

オーディオというのは一度足を踏み入れると本当に底なし沼ですね.

今回聴かせていただいて,Niki氏とNami氏のサウンドはある意味で対極にある音だと感じました.これを同一のシステムで両立させることは多分不可能だと思います.

Nami氏の音は紛れもない現代の音で,繊細かつクリヤー,情報量で言えば確実にNiki氏のシステムを上回っていると思います.

でも確かにNami氏のシステムで聴くビル・エバンスはビレッジヴァンガードでは演奏してくれないような気もします.

この辺りがオーディオの多面性であり,面白さであるかもしれません.
ハリウッドがいまだにフィルムにこだわるのも解るような気がします.えっ,Niki氏がフィルムでNami氏がハイビジョンだろう,ですって?・・・・そうかもしれません.



氏の現在のシステムはB&Wの802Dをバイワイヤリング接続を利用したバイアンプ方式で駆動されていました.
オーディオルームに案内されて,早速女性ボーカルを聴かせていただくと,声の質に何となく違和感があります.中高域に僅かなピークを感じると同時に中低域のある帯域が抜けているようなサウンドで本来の年齢よりかなり年上の人が歌っているようでした.

実は氏がバイアンプ方式に変更したのがつい最近の事で,まだほとんど調整をされていないとのこと.それでは今調整をしましょうかという事になり,夜中のチャレンジとなりました.

さすがに手慣れた様子で測定・調整と順調に進みましたが,最終的な特性を拝見するとB&W特有の強烈な低域が見事に周波数特性に現れています.このスピーカーの低域は実に見事で,ある意味では伸び過ぎているとも言えます.そして周波数特性の伸びだけでなくその量も半端ではありません.このスピーカーで低域不足というのはまずあり得ないのではないでしょうか.

このスピーカーはかなり広大な空間を想定して設計されているのかもしれませんが,日本の一般的な家庭で使用する場合はこの低域の処理に相当気を使う必要がありそうです.

そしてもう一つの問題点はバイアンプ方式の採用によると思われるクロスオーバー周波数(350Hz)付近の落ち込みです.これも測定結果に見事に現れていました.

内蔵のLCネットワークが働いている状態で,DEQXのチャンネルデバイダー機能を使用したバイアンプ方式にした場合,LCネットワークが規定された周波数で理想的に動作していればあまり問題は生じないのですが,今回の測定結果から見るとLCネットワークによる実際の遮断特性はかなり異なっている可能性があります.

各帯域の周波数特性を測定した結果からはもDEQXのクロスオーバーをう少し高い周波数でクロスさせたほうが良さそうですが,今回は最適値を探る時間まではありません.

そこで,DEQXのパラメトリックイコライザー機能(リニアフェイズ)を使って補正することにしました.同様に低域の量感を補正し,40分ほどで調整が完了.ここでもう一度先ほどのボーカルを試聴してみました.

これは凄い.まさに極上のB&Wがそこに出現しました.一緒に聴いていたNiki氏が思わずうなっていました.

翌日,空港まで送ってくれたNami氏が,「昨夜はさすがに少し疲れましたが,寝るのも忘れてあの後1時間以上もCDを聴いてしましました.測定を終わって,正規のリスニングポジションに座ると,今までとは全く違う世界が広がっていて,歌手の口がセンターに実物大で浮かび上がり,声の質感も最高でした.低域の不満も解消されました.」とのお話しを頂きました.

2日ほどが過ぎた今,もしかするとNami氏は「これでもう少し雰囲気が出ると最高なんだけどな」とぼやかれているかもしれませんね.



下のトランス,どこかで見ませんでしたか?

       

今回,聴かせていただきました徳島の皆様のシステムには全てこのタイプのトランスが鎮座していました.仕掛け人はNiki氏で.音質改善に絶大な威力があるとのことでした.

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京都と徳島,そして鳴門の皆様のシステムを聴かせて頂くために駆け足で回って来ましたが,それぞれの方々がそれぞれの方法でそれぞれのサウンドを楽しまれているご様子に接する事が出来ました.
そして,皆様の努力の結晶が本当に素晴らしいそれぞれのサウンドを醸し出している事が良く解りました..

M氏宅でお会いした石井様とは多少の面識がありましたが,そのほかの方々とは今回が初めての対面でしたが,オーディオ仲間という共通項がなせる技か,お会いした瞬間にまるで旧知の間柄のような親しみを感じるとともに,暖かいおもてなしを頂き,20時間以上にわたる旅を本当に楽しく終えることが出来ました.

皆様に感謝しながら,とりあえずのリポートとさせていただきます.

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<2008年1月7日

●昨年の12月にDEQXを導入された吉祥寺のT氏から本日,次のような嬉しいメールを頂きましたので,原文のまま掲載させて頂きます.


         
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●昨年末の12月27日にDEQXを導入されました栃木県のK氏から一昨日(1月5日)次のような嬉しいメールを頂きましたので,原文のまま掲載させて頂きます.

       

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2007年12月23日

前回に引き続き,今回も景色からのご案内です.



まずは積雪10㎝の信濃追分駅の朝です.果たして電車は来るのか・・・・
長野の電車はこの程度の雪はびくともしません.



軽井沢駅のコンコースから見たアウトレットモール周辺とスキー場です.
朝の早い時間でしたがもうかなりの人が滑っていました.



そして一気に,今回DEQXを納品させていただいたS氏宅に到着です.

ところは千葉県茂原市.軽井沢からは220Kmほどの距離がありますが東京駅で1度乗り換えるだけ.時間的にも2時間ほどで着いてしまいます.

S氏の邸宅は駅から車で5分ほどの閑静な住宅地にありました.
地元のオーケストラでトロンボーンを演奏される旦那様とヴィオラを演奏される奥様とのデュエットご夫妻です.

この日も午後1時から4時過ぎまでDEQXのセッティングにご夫婦で立ち会われ,要所要所で奥様の厳しい・・・いや,優しい目がキラッと光っていました.

     <なんと,奥様の目の光が画面に反射しています・・・(笑)>


システムはJBLのM9500をマッキンのMC500とアキュフェーズのA-60を使用してBi Ampで駆動されていました.
さらに,ソニーのリボン型スーパーツィーターをLCネットワーク経由で接続されていましたが,DEQXの導入を機にTri Ampにする計画を実行され,この日までにスーパーツィーター用にアキュフェーズのA-30を導入されていました.

到着してまずオリジナルの状態(Bi Amp方式)でトロンボーンの8重奏を聴かせていただきました.さすがにご自身がこの楽器の演奏家であるだけに,出てくる音はツボを得たもので,多彩な音色と圧倒的な迫力にしばし聴き惚れてしまいました.


(いやー,まいったな・・・・DEQXを入れても・・・)

気を取り直して機能のご説明とキャリブレーションソフトのインストール,そしてTri Amp接続のセッティングへと進みました.

2時間ほどで全ての調整を完了.

「何を聴きましょうか」とご主人に聞かれ,思わず「女性ボーカルはございますか?」とリクエスト.

取り出されたCDはPONY CANYONのHybrid SACDで,藤田恵美の「camomile Best Audio」というアルバム.香港のオーディオファンが試聴用に最適と言ったことから人気が出たとか.
早速聴かせていただきました.私はこのCDを初めて聴いたのですが,香港のオーディオファンが着目するわけが判りました.思わず「これは和製のジャシンタですね」と言ってしまった私でした.

ここは是非奥様に聴いていただこうという事で,センターポジションにお座りいただきしばし傾聴して頂きました.


奥様の感想は「歌手の口が実物大で真ん中に見えました」とのことでした.


これで本日のご紹介は終わります.・・・・えっ,まだだろう.ごもっともです.


     <S氏が選び抜いたシステム群と膨大なCDコレクション>

帰宅時間が迫り,最後に一曲と言って聴かせていただいたのがヴァイオリンソナタでした.(後で判ったのですが,ご主人の思い入れのCDでした)


これはまずい.かなり癖のある音だ!と瞬間的に思いましたが,これについてはメールで頂いたご主人の感想がありますので一部を引用させていただきます.


本日ははるばる遠方から太平洋の縁近くまでお出で頂き本当に有り難うございました。

 さて,最後にお聴かせ致しましたバイオリンのCDは以前から再生が難しいと感じていて,これを艶っぽく演奏させることがDEQXにできるかもと,ある意味,期待感がありましたが、Profile3の音はやはりずばり録音の状態をさらけだした状態だったかな と思います.これはこれで別のCDを聴いて納得しました。
 同じProfile3の設定で別のCD(EMI)であるサラチャン(Vn)の演奏を家内 と聴き直して二人であまりの艶っぽい音色にビックリしてしまいました。録音状態の差でなんとここまで変わるか!と言うほどの音色と臨場感の差で唖然です。

DEQXの効果がありありと感じられる音楽再現でした。


 我が家のシステムですと本当に録音状態の傾向がはっきりと現れてしまいますね。また別途イコライザーで観賞用に好みの音の設定を作り切替えできるようにしたいと思います。
 また人間の声(アナウンス)も自然な感じが よく出ており前より遙かにリアルになりました。

本日は大変有り難うございました。

(注:Profile3→スピーカー補正とルーム補正を行った最終調整の状態.)

とのメールを頂き,正直言ってホッとしました.

最近,我が家でもスピーカーシステムを新調し,DEQXで2Wayマルチを組んで調整していますが,結果は素直で良質な録音のものしか受け付けなくなってしまい,聴くCDと聴かないCDがはっきりして困っています.

S氏はオーケストラなどの録音もされるとのことですので,それぞれのCDに合った適切なイコライザーをDEQXの基本機能である100通りのプリセットイコライザーを積極的に活用されて,好みの音色に調整されることを実践されるようです.

また,S氏からはシステムが落ち着いてきたら改めて試聴結果を頂けることになっておりますのでその時はまた,ご紹介させていただきます.

本日は優しい奥様と愛犬「トロン」君,本当にありがとうございました。


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<2007年12月14日:三鷹市-T氏宅>


(12月14日,井の頭公園の秋:午後1時頃撮影)

懐かしい景色です.実は平成12年から15年までの3年間,井の頭公園から2分程のところに間借りして,朝5時半から6時半までこの道を毎朝ウォーキングしていました.

えっ,DEQXのUser's Report の頁なのに何で「秋」なの,何でウォーキングなのか?ですって.

実はこの道の先にその方の家があるのです.(うらやましい限りです)

井の頭公園から歩いて1~2分の所にYT氏の家はありました.

これがYT氏のシステムです.
スピーカーはJBLのK2S5500と,サブウーファHB5000を導入されています.
プリアンプはマークレビンソン,パワーアンプはゴールドムンドです.

この日はDEQXをお持ちして,とりあえずは現状のシステムをそのまま使用するセッティングを行いました.

構成としてはマークレビンソンの出力をDEQXのアナログ入力に入れ,DEQXの動作モードをSingle Amp+Stereo Sub woofer としました.DEQXのフルレンジ出力をゴールドムンドに入れ,Sub Woofer用の出力をHB5000にステレオで接続します.(HB5000はそれ自身でモノ信号を作り出します.)

YT氏は主にクラシックをこのシステムで聴かれているそうですが,車に乗った時にはロックを良く聴かれるとのこと.理由をお聞きすると「車なら安心して身体で感じる音量でロックを聴けるから」との事でした.ナルホド.

DEQXを入れる前に音を聴かせていただきましたが,充実した低域の上に中高域が見事にバランスした癖のない音で,クラシックが見事に再生されていました.40Hz以下にセットされたサブウーファーからは地鳴りのような重低音が部屋全体を包み込み,音楽にリアリティを与えていました.

私としては50~60年代のジャズを鳴らすならJBLというイメージを持っていましたが,K2当たりからはずいぶん万能選手になったJBLという感じがします.

でも,これはYT氏のクラシック音楽への愛着とたゆまぬチューニングの賜とご推察申し上げます.

ここで,持参したジャズボーカルを聴かせていただくと,YT氏が今回DEQXを導入するきっかけとなった定位の問題が顔を覗かせました.音像がややぼやけることと,定位が周波数によって微妙に移動することなどが確認できました.

早速DEQXをセットし,パソコンにDEQXの調整ソフトをインストール.なぜか極めて順調に操作をなさるYT氏・・・それもそのはず,なんと業務用の様々なソフトを開発するエンジニア(プログラマー)を10年以上もなさっていたとの事.失礼いたしました.

測定はスピーカーシステムを移動することが困難なため,通常よりやや近めのホーン軸上80㎝にマイクをセットして開始.得られた結果の特性を見比べて二人ともびっくり,そして納得です.1kHz以上の帯域で周波数特性は良く揃っているのですが,音圧レベル差が3~4dBほどあります.

聴感上で中央に定位しないためパワーアンプで3dB程レベル補正をされていたそうですが,これが正解である事が測定結果からも見事に確認できました.

測定を終えて逆補正フィルターをDEQXに送り込み,次はルーム測定です.

音楽を聴くときにはいつもこうするのです.というYT氏が,ソファー前のテーブルを移動させてソファーに押しつけ,空いたスペースに木製の椅子をセットされました.

なるほど,これで部屋の中央からやや後方の音響的に理想的な位置を確保されていたのですね.それにしてもせっかくのソファーに座らず,木の椅子にきちんと座って音楽に聴き入る氏の姿勢には音へのこだわりを見た感じがしました.

この椅子の位置にマイクをセットしてルーム測定を行い,定在波の影響が最小となるようにEQをセットして全て測定と調整は全て完了です.

早速音に聴き入るYT氏.・・・・・その評価は????

その前にCMです.(これって評判悪いようですね.スイマセン)


吉祥寺から軽井沢まで(約180km)帰らなければなりませんので,早めにYT氏宅を後にしましたが,時は黄昏時.井の頭公園の美しい夕景が私を引き留め,懐かしさも手伝ってついつい池の周りを一周してしまいました.

完.・・・・えっ,YT氏の感想はどうしたですって.

実は,翌日(15日),YT氏からメールを頂きました.
このメールに書かれていた氏のご評価をそのまま掲載させて頂きます.

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金曜日はわざわざ遠いところから来ていただき、どうもありがとうございました。
昨日、今日といろいろ聞いてみましたが、かなり音が改善されたのでビックリしてい るところです。
Before/Afterの改善度が小さいというコメントをいただきましたが(その場では私も 同感でした)、あらためてじっくり聞いてみたところかなり改善されていました。
一言では表現できないのですが、もともとあった「にじみ感」がかなり取れて、音楽 の実在感とダイナミズムは保持したまま(あるいは従来より増して)、透明度がいい 意味で増した感じです。
CDの音が見違えるようになりました。今年の初めよりオーディオをまた構築し始めたのですが、今回のDEQXの導入が音質改善のどうやら2度目のターニングポイント(ステップアップ)になったような気がし ます(1度目はオーディオ専用の電源を引いたとき)。
DEQXを使ったこれからの展開が楽しみになりました。
今後とも、サポート等々、よろしくお願いいたします。

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との感想を頂きました.
昨日,お宅を後にする時,YT氏がお正月はこれで存分に楽しんで,その後はアンプを引っ張り出してきてS5500をBi Ampでドライブしてみます.とお話しされていましたが,・・・・メールの内容からすると以外に早く着手されるかもしれませんね.

<ここからは余談です>

今回はYT氏がコーヒー通でもあるという誠に嬉しい出会でもありました.お邪魔して直ぐにポットに入ったコーヒーを頂きましたが,その時に持参されたポットがなんと我が家と同じPHILIPSのTHERMOSでした.

抽出した珈琲をヒーター等で温めると,ものの数分で香りが全て飛んでしまいます.加熱をしないでそのまま保温してやることで30分や1時間は香りも味も保てます.

このポットを選ばれたてと言うことは,かなりのコーヒー通とお見受けしました.

「実は珈琲店を10年ほど経営していました」・・なんてことはありませんよね?

   
      (我が家のコーヒー器具達)         (真空式保温式ポット)


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<2007年11月16日>

● DEQXを購入をされ、先日システムアップされた山梨県のF氏についてレポートします。(少し長めのレポートになりますがご容赦下さい。)

・F氏は既にこのページに登場しているF氏・・・(あれれ同じ頭文字ですね。では今回のレポートの主人公はSF氏、既に導入済みのF氏はAF氏と呼ばせていただきます)SFさんはオーディオ仲間であるFAさんの言葉に幻惑?されて、音も聞かずDEQXをご注文になりました。(なんと勇気のある方でしょう)

・更にSF氏は「DEQXの納品は遅くて良いですよ。」とのことでしたが、その理由はCD再生機以外は全て入れ替えるということで、機材が揃うまでには少々時間が掛かるからとのお話しでした。

・ちなみにSF氏の今までのシステムは聞いてびっくりの超豪華版ばかり。一番最近のシステムはデンマークD社製の高さが1.75mもあるスピーカーとスイスG社製パワーアンプをご使用でしたが、これらを全て新しいシステムに変更するとのことでした。(これだけの機材でいったい何が不満だったのでしょうか?この回答は今回の新しいシステムへの感想をお聞きして判りました。・・・・後ほど。

・11月○○日。待望のスピーカーが到着しました。

・この日にスピーカーが来るのでDEQXを持ってきて下さいとのこと。新しいスピーカーはソニー製の38センチWウーファ使用のスタジオモニターですが、内部のユニットはなぜか全てTADとの事。そして、これまたなんとユニットが全て外された状態で搬入され、ご自分で組み立てるとのこと。

・これは大変!私もいつもの作業服姿で早めに駆けつけました。

・午後1時半。待望のスピーカーがピアノ運送会社のトラックで到着(写真)。


・いざ搬入。・・・・100kgを超えると思われるスピーカシステムを2人で軽々と・・ではなく、さすがに重そうに、しかし手慣れた感じで慎重に扱いながら2階まで無事に運び上げましたが、ここで大問題が発生。

・SF氏はこの日のために販売店にサイズを確認し、段ボールをサイズ通りに切り抜いて運び込みのリハーサルまでされて、確かに入るはずだったとのことですが、リスニングルームの入り口にホーン部分が引っかかってどうしても入りません。念のためにBOXを立てたり寝かしたりしましたがだめ。お店の人がサイズを告げた時にホーンの出っ張りがあることを忘れていたのでは・・・・

・運送屋さんもしばし呆然。


・待つこと20分。意を決したのか、トラックが庭に入り込んできてスピーカーを吊り下げたクレーンが伸びてきました。ピアノ運送屋さんの本領発揮。クレーン作戦に変更です!

・ここで私には少しカルチャーショックがありました。業者のおじさんがクレーンのワイヤレスコントローラーを持って2階に上がってきました。クレーンをワイヤレスで・・・皆さん、知ってましたか、こんなものがあるのを。でも大丈夫なのかしら。

・窓から1mほど離れたところまで降りてきたスピーカーBOXを窓に引き込みますが、これが大変でしたが何とか搬入に成功。


・写真係の私はやや後ろから作業を見守りました。(すいません)



・無事に2台のスピーカーボックスが室内に運び込まれました。やっぱりプロはやることが凄い。

・所定の場所に鎮座したBOXはこのままでも威風堂々といった風情ですが、いよいよ出番!。ユニットの取付です。

・別梱包のウーファーユニットはありましたが、ホーンドライバーはどこだ?・・・これはウッドホーンに付いたままBOXの中にありました。いざケーブルをドライバーユニットのターミナルに接続しようとすると一人では絶対に不可能なことが判りました。ちなみに外すのは一人でも出来そうです。

・私がが片側のウーファー取付穴から腕と顔を突っ込んでターミナルを押す係。そしてSFさんがもう片側の穴から頭を突っ込んでケーブルをターミナルに差し込みます。

・実はターミナルが見えない場所にあり、二人とも手探りの作業。息が合わないといつまでたってもケーブルは入りません。

・初めてお会いしたとは思えない二人の見事な連係プレーで見事に成功。

・ウーファーの取付作業に移った頃、DEQX紹介者のAF氏が事の成り行きに心配になったのか、突然駆けつけて来られました。しめた!作業員が増えた。

・全ての接続を完了して音が出たのはなんと5時近く。

・DEQXによるシステムの調整はSF氏にお願いて進めました。何の問題もなく順調そのもの・・・と行きたかったのですが世の中甘くはありませんね。110dB の能率を誇るTADのドライバーからジージーというノイズがかなり聞こえます。

・SF氏曰く、真空管アンプだから多少はしょうがないですかね。しばらく様子を見てからノイズ対策をしますから、今は良いですよ。と言ってはくれましたが・・・・

・ノイズが気になりながらもDEQXの設定を続行。ノイズを考慮して多少テスト信号の再生レベルを上げて、まずスピーカーシステムの測定。本来はスピーカーシステムを部屋の中央に移動して壁の影響を極力除くのが正解ですが・・・・とんでもない。とても動かせる代物ではありません。

・これもトライだ!と、定位置においたまま測定を行い、補正カーブの設定。クロスオーバー周波数の設定、続けてルーム測定と定在波の補正を行い、ひとまず完了。

・一連の設定作業は全てSF氏にお願いし、横から少しサポートをさせて頂きましたが順調に進み、とりあえずこの日の仮調整作業は無事に完了しました。

・ここで一曲、愛聴盤を再生して頂くことにしました。

・出てきた音に全員(たった3名ですが)が絶句。なんと爽やかな音でしょう。春風のように軽やかで、しなやかな音です。えっ、本当にホーンスピーカーが鳴ってるの、という感じ。そして最低域まで伸びきった自然な低音もさすがです。特にアコースティック楽器やボーカルが実に自然で、しかも暖かみと味のある音が再生されました。試しにDEQXをバイパスモード(クロスオーバー設定のみ)にすると、あっ、これがホーンの音ですよ。という感じで実に懐かしい音がします。

・次々とお好みのCDから紡ぎ出される美音にしばし酔いしれたお二人でした。

・しかし、AF氏の心境は穏やかではなかったようです。ホーンからこんなにも素直でしかも魅力的なサウンドが出ることにびっくり。そして38センチWウーファから出てくる無理のない風のような低域に少しだけ嫉妬心が沸いてきているようでした。



・SF氏曰く。今までのシステムは確かに徐々に忠実度が上がってきて、2~30年前のシステムではとても到達できない素晴らしい音が出ていました。でもしばらくするとなぜか物足りなくなる。今までの装置は蒸留水的な音と言ったら良いかもしれません。もう少し個性的で多少の癖と味のあるサウンドが欲しかった。とおっしゃいます。例えてみれば「ミネラルたっぷりのよく冷えた岩清水のような爽やかな味」がご要望だったのかもしれません。

・今回のシステム作りでは、20年前にあこがれて挑戦したものの、ついに挫折した真空管アンプとホーンスピーカーによるマルチシステムそのものであり、今、聴いていている音はその理想的な音が再現された感じです。とのお話しでSF氏が求め続けていた音が確認できたような感じです。

・最後になって、そうだ!、DEQXの電源は欧米方式そのもので電源はアースから完全に浮いている。このジーノイズは日本式片側アース電源方式との違いによる影響かもしれない。と思い出し、SF氏に内緒でこっそりパワーアンプとDEQXの筐体をケーブルでつないでみました。するとあら不思議、ノイズが大激減。大成功です。これでとりあえずは夜でも聴いて頂ける状態になり、私も安心して帰宅することが出来ました。

・後日談ですが、この日、SF氏は徹夜でシステムの音を堪能されたとか。

・近々、SF氏の感想を頂き、掲載する予定です。

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徳島県在住の方からデモ機の貸出依頼がありました.

デモ機をご自分のシステムに組み込んで試聴されました.
試聴結果についてはN氏のブログをご覧ください.

URL:N氏のブログ

◆数日間試聴された結果、購入を決意され、オーダーを頂きました。

同じ徳島県のMNさんにもデモ機でDEQXの音を聴いて頂きました.

MNさんはB&W 802Dをお使いで,今回はチャンネルデバイダー機能を使用せずにフルレンジでのセッティングでしたが,定位の改善効果にびっくりされ,この世界を知ってしまうと後戻りはできませんね.との感想を頂きました.
MNさんがDEQXを触るのは初めてとの事でしたが,マニュアルを頼りに全てご自身でゼロから設置・測定・補正などの機能を駆使され,DEQXだけが到達できる音の世界を体験されました.

◆数日間試聴された結果、購入を決意され、オーダーを頂きました。

東京都在住のNさんからデモ機の依頼があり、自家用車に積んで出かけました。

Nさんはマンションの一室(6畳和室)を奥様に交渉して確保。さらに2畳ほどのスペースとともにオーディオルームに改装され、十分な遮音を実現されて快適なオーディオライフを楽しまれていました。
システムはソニーのプロ用38センチユニットとホーン型のミッドレンジを使った自作の2Wayで、これにコンデンサー1個でテクニクスのリーフツィーター(リボン型)を追加されています。

自作の2Wayチャンネルデバイダーを使用されていましたが、これをDEQXに入れ替えて試聴して頂きました。

スピーカーシステムを測定してみると7~8kHz以上が急激に低下しているのを見てご本人もびっくり。高域がややきつく聞こえることからこうした特性を知らないうちに許容されていたようです。

スピーカーの特性補正を行い、ルーム測定をして定在波の影響を最小限になるよう補正して早速聴いて頂きました。

ホーンスピーカーとウーファとのつながりが改善されたこと、高域がきちんと出るようになったのに刺激的なところがないことなど、大変満足されていました。また、ボーカルの定位感やオーケストラの奥行きなどが格段に向上したとお話しされていました。

ここでクロスオーバー周波数を600Hzから450Hzに下げることを提案して早速設定してみると、それまではウーファユニットの高域から出ていたと思われる僅かな鼻声(胴間声)が無くなり、全体にすっきり。ホーンも推奨クロスオーバー周波数よりもかなり低く設定しているのにも関わらず、生き生きと鳴っています。これは96dB/oct(※)という急峻なスロープ特性によってクロスオーバー周波数以下の音響エネルギーが極めて少なくなっているからと思われます。
(※DEQXは最大300dB/octまでのスロープ特性を持っています)

Nさんのご友人のSさんも同席して聴いて頂きましたが、GRP All-Star Big BandのCDをフルボリュームで再生した時にはその場にいた3人が絶句。聴き終えてのS氏の感想は一言。「まさにライブハウスの最前列中央で聴いている様だった。すごい」・・・でした。

◆N氏とS氏はその後1週間ほど聴かれた後、購入を決意され先日オーダーを頂きました。

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<Kurizz-LaboのシステムまたはDEQXのデモを聴いて頂いた方の感想>

●オーディオ歴30年のF氏

本日聴かせていただいたDEQXですが、クロスオーバー機能のみをONにした時点で音の鮮度とLCネットワーク(12dB/oct)では制御仕切れない部分があらわになり DEQXの効果が分かりました。
タイムアライメントを掛けた時点では曖昧さがさらに無くなり好感が持てました。最後のステージ(クロスオーバーとスピーカー及びルーム補正を行った状態)ではもう少しライブになるのかと思いましたが予想を裏切り音像が明確に定位するのに驚きました。

アナログ入力を使った場合の音色がとても良く、プリアンプの音の傾向ををのまま出していたのに驚きました。アナログ入力も安心して使えそうですね。
一緒に聴いていた友人は、最後のステージでは家でフルレンジを聴いているかの如く錯覚したと言っております。

●試聴して頂いたF氏からの後日談

昨日、オーディオ仲間の所でフルレンジを聴いてきました。ネットワークを通さないので音の鮮度は良かったものの、フルレンジ1発では真ん中に音が集まりすぎる嫌いを感じました。
先日聴かせてもらったDEQXを使って2Way 3Wayのシステムに補正を掛けた方がより広大なステージが構築出来ると確信しました。こうして最近、位相の揃った物ばかりを聴かせていただくと家のシステムを聴くとき難聴になったかのように位相のずれを感じるようになってしまいました。知らない方が良かったのかも。

F氏はその後数日間試聴されて購入。現在はシステム内蔵のLCネットワークを取り去って、3Wayのマルチアンプ方式にグレードアップされて大変ご満足されています。

●有名オーディオメーカーA社のの営業担当T氏(この道30年のベテラン)

市販されているオーディオ用プロセッサーの多くが信号経路に入れただけで音が変ってしまうものが多い。DEQXはそうしたことを全く感じなかった。そしてスピーカーコレクションの効果は絶大だ。音色はもとより、音質と定位感が格段に向上する。

●有名音響設備会社Y社の重役I氏

音質チェック用のCDを購入すると、必ず最高級のヘッドホンでまずCD自体の音のクォリティをチェックする。今回聴かせてもらったスピーカーはDEQXを入れた状態ではまさにヘッドホンで聴いた場合と同じ音がする。全帯域のバランスが素晴らしく、位相特性が良くなったためだと思うが、音の分離や鮮度、定位感が著しく向上する。

●有名オーディオ誌の編集長K氏

いつもは高域がきつくてあまり聴かなかったCDだが、今日、DEQXを入れて聴いてみると高域の透明度が上がり、分解能が上がった感じがするのに、うるささがまったく無くなった。定位の安定感と奥行き感が極めて印象的だ。

●有名オーディオメーカーA社のデジタル回路設計担当O氏

今回は自宅でも聴かせてもらった。スピーカーは3Wayでシングルアンプ駆動。内臓のLCネットワークはそのまま使用した。DEQXでスピーカーコレクションを実施すると位相や群遅延特性の改善効果は極めて大きく、音の定位と透明度が向上し、3Wayスピーカーがシングルコーンのようなイメージになった。会社ではデジタル回路の設計を担当しているが、DEQXのようなFIRはやっていない。位相がリニアーなFIRフィルターのメリットはやはり極めて大きいと感じた。

●N放送局のミキシングエンジニア諸氏(15名様での試聴会で)

自分で録音した素材(教会のオルガン)の再生ではすでに聴きつくしていたつもりだったが、これほど余韻が美しく再現されたのは初めての体験だ。

こんな部屋(会議室で試聴会をさせて頂いた)なのに定位感が素晴らしく改善された。高域がきついスピーカーなのに、自然に高域まで伸びた素直な音になった。サブウーファーがまるで存在しないような自然さでつながり、全体として低域の伸びが確保され、クリヤーかつ重厚なサウンドに変身した。とても印象的だ。(ヤマハNS-10Mにサブウーファをプラスしたシステム)

スタジオモニターにDEQXを入れればスタジオ間での音質差を最小限に出来ると考えられるので、検討したい。


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<2007年9月 甲府市にお住まいの F氏>

オーディオ歴30年のF氏がDEQXを導入され,システムに組み込みました.



■PMCの大型システムBB5を中心に組まれたF氏のオーディオシステム



■トランスポート( ESOTERIC POs-VUK)のデジタル出力をダイレクトにDEQXに接続



■DEQXのデバイダー出力(アナログ)を各ch用のパワーアンプに接続



■パワーアンプとDEQXの電源は柱上トランスから引いたオーディオ専用電源に接続



■ラインケーブルは銀線とWBTのコネクターを使った自作品



■PMCのBB5から取り去ったLCネットワーク(さすがに上質なパーツが使われている)



■全てのセットを完了して,いよいよスピーカーシステムの測定を開始.

・スピーカーシステム単体の測定と補正
・チャンネルデバイダーの設定(今回は300Hzと3,800Hz)にセット
・ルーム特性の測定と補正

■完成した御自身のシステムを聴いたF氏の感想.

・凄い.自動補正だけでこれだけの音が出るとは.もうさわりたくない.
・音が立体的に聴こえる.
・部屋の影響を感じなくなった.吸音処理も必要ないほど締った音になった.
・低域が澄んでいて,量感,質感ともに断然良くなった.
・究極はフルマルチに尽きますね何のためらいもなく伸びやかに スピーカーが鳴っています。

 という感想を頂きました.