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User's Report
No. ユーザー DEQXの導入機種とシステムの特長 掲載時期
127 群馬県 KH氏 HDP-4 / 挑戦!オールホーンの5Wayシステムがついに完成 2023年 2月
[ 7mの低音用コンクリートホーンが完成して5Wayとなった最新のシステム ]


[ 5Waシステムのブロックダイヤグラム(KH氏作成) ]

[ ALTEC-515Cウーファーを使った3Wayシステム → User's Report No.85で紹介

■ 感 想 文

DEQXを使い始めて9年。この間システムも大きく変わってきました。

今回は改めてその経緯と最新のシステムをご紹介したいと思います。

6年ほど前、クリズラボ10周年記念企画の再設定無料キャンペーンに応募し、実施して戴いてからはしばらくの間、大満足で聴いていました。

その設定時に栗原さんから指摘されたALTECの515ユニットの振動系の異音について、修理をしていただいたオーディオ店でコンクリート製の低音ホーンを土台とするオールホーンの5Wayシステムを聴いてしまったのです。(笑)

また、各ユニットに2オクターブの帯域を持たせるのが理想的とのオールホーンシステムに関する記事を読み込むうちになんとなくその方向に進んでしまいました。

まずは中低音ホーンの導入を試みました。

その時、栗原さんに4WayでDEQXをどのように使ったらよいかをお聞きした記憶があります。

すると、中低音用のホーンの長さが2.4mとなるとタイムアライメント調整がDEQXでは無理(1m程度まで可能)で、調整するためには外部にDACや遅延装置等を入れないといけない、とのアドバイスをいただきました。

DACなどに高額な投資は難しい中、どのように5Wayを構築するかで悩みました。

DEQXは3Wayまでなので中音と高音をそれぞれ2分割できるプロセッサーがあればDEQXの中音チャンネルを中低音と中音用、高音チャンネルを中高音と高音に使うことでDEQXは3Wayとして使用できると考えました。

そんな中、miniDSPなるものをある記事で見つけ、これなら帯域分割とタイムアライメント調整ができるし、価格も安いので試しに1台買ってみました。

とりあえずDEQXの低音を低音と中低音に分割して調整してみるとうまくいくことが確認出来たました。

5Way移行時にもう一台追加すればいけるのではないか、との想定で現在の骨格が出来上がりました。

まだこの時点ではウーファーは515のままでしたが、中低音用のホーンを入れて2018年には4Wayシステムが完成しました。


[ 2018年に完成した中低域にホーンを採用した4Wayシステム ]

ロフトの床を突き抜けるホーンにJBLの2441(改良型)を使用した中低音用のシステムですが、実は3Wayを2Way化しようとして考えていたシステムでした。

そんなこともあり、完成したものの5Wayに挑戦するという新たな計画からすると「何か変」と言う感じになってしまいました。(笑)


[ 2018年に完成した中低域用のホーンシステム ]

前述のように、この時すでに金属振動板による低音ホーンの音を聞いてしまっていたのです。

次は低音ホーンの導入を、と考えていた矢先に例のお店がYL音響のLH-5という低音ホーンに使うドライバーユニットであるD1250のレプリカを作るプロジェクトがあると知り、私もそれに便乗して2020年の夏、ついに低音ホーンの導入となりました。

7mの木製ホーンですがタイムアライメントの調整は低音以外はminiDSPで調整してますので歯切れの良い物凄い低音が出ました。
この時点で、LH-5型低音ホーンにD1250のレプリカであるATR1250ドライバーを使った5Wayオールホーンとなりました。

5Wayですが全体をDEQXがまとめていますので私でもなんとか調整でき、満足して音楽に浸っていました。

そして、35年間使用したALTECのウーファーシステムとさよならしました。


[ 2020年に完成したLH-5型低音用ホーンを導入した5Wayシステム ]


[ YL-D1250のレプリカとして完成した低音用ホーンドライバーATR1250 ]

このドライバーは重量が約30kgあり、やっとの思いで持ち上げますが、オーディオは体力勝負だとつくづく感じます。

このシステムの音に暫くは満足していたのですが、某お店のコンクリートホーンで聴くパイプオルガンの『音にならない風のような低音』とは違いました。改めて木は振動するなと感じてしまいました。

そんな折、まずいことに(笑)一昨年の年末、某お店のコンクリートホーンの建設中の写真を見せていただき、また火が付いてしまいました。

仕事柄、これなら自分でもできるのでは、と思ってしまったのです。

そして、改めてコンクリートホーンを自作されたという大先輩のシステムを聴かせていただき、ホーン開口部がサイズ的にも我が家に設置可能との確信を得ました。

昨年の正月に構想を練り、約半年で完成しましたがその経緯は私のブログにまとめてあります。


[ 中央の白いホーンが低音用、手前と奥の黒いホーンが中低域用ホーン ]

このシステムでもDEQXが全体の中核を担っており、締まった風のような低音を楽しめるシステムとなりました。

DEQXの機能が100%発揮されているのか自信はありませんが、ある日、オーディオ仲間が『他のコンクリートホーンと鳴り方が違う。歯切れが良く締まっている感じた』との感想をいただきました。

DEQXとminiDSPによるタイムアライメント調整などが効いているのではと思います。
いずれにしてもこのシステムをまとめ上げるための心臓部であるDEQXは必須の存在でした。

測定結果のデータを目で見て調整し、結果を耳で確認できるDEQXは私のような素人には大助かりです。

最終的にはリスニングポジションでの周波数特性をフラットに調整することで、どのような音楽でも楽しめるシステムになりました。

これからも楽しみながら進化させていこうと思っています。


[ 現在の再生システム ]

最後に現在のユニットをご紹介しておきます。

低 音 8mの自作コンクリートホーン + ATR1250ドライバー
中低音 YL:MB-50ホーン + JBL2441(改)ドライバー
中 音 GOTO:S200ホーン + ALE 7550DE
中高音 特注アルミくり抜きホーン + GOTO:SG-370BL
高 音 GOTO:SG-166
群馬県 KH

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■ Kurizz-Labo

・ オールホーンシステムはオーディオファンの夢であり一つの頂点だと思います。

・ しかし、スピーカーシステムから正確な音を再現するためには各ユニットの振動板の位置を揃えることが最低条件となります。

・ 7〜8mもあるホーンのドライバーに全てのユニットの振動板の位置を揃えることは事実上不可能です。

・ しかし、アナログ回路の時代には不可能だった時間の制御がデジタル技術で可能となりました。

・ 全ユニットの振動板の位置を精密に合わせた上で、各ユニットの受持帯域とリスニングポジションでの全帯域の周波数特性をフラットにする。

・ 今日ではこんな芸当も可能となりました。

・ DEQXがオーディオファンの夢の実現に貢献できたことが判る貴重なレポートでした。

・ KHさん、ありがとうございました。

クリズラボ:栗原



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