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No. ユーザー DEQXの導入機種とシステムの特長 掲載時期
00 元JBL Greg氏 HDP-4 / これは、他のいかなる手段でも不可能なことです。 2016年10月

■ このレポートはDEQX社のホームページに掲載されたものをクリズラボが翻訳し、掲載したものです。

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スピーカに限って言えば、JBLほど長年にわたりプロオーディオ業界で成功を収めてきた企業はありません。

JBLで43年にわたり働き、最後はチーフエンジニアにまで上りつめ最近引退したGregは、世界中の最先端録音スタジオやマスタリングスタジオで使用されている彼が設計したスピーカの1つが、DEQX「HD-Active次世代スピーカ・アーキテクチャ(※)」でどのように生まれ変わるかを体験しました。

写真

              < Greg氏と彼の再生システム >

私のスピーカーシステムの15インチウーファはアルニコ磁石と1.5インチの磁気空隙のある1インチ長ボイスコイルで駆動しています。

コーンは表面を紙で覆った発泡性のコア材で、リニアな動作にたいへん優れ、超低歪性能を有しています。

高域のコンプレッションドライバには4インチのネオジウム磁石回路で駆動する4インチの純ベリリウム振動版を採用しています。この振動版の一次モード周波数は15kHzあたりです。

超高域ドライバは、高域ドライバを小さくしたもので、1インチの振動版を採用しています。

高域と超高域用のホーンは定指向性で周波数によらず指向性が均一です。

ウーファのエンクロージャは280リッターで積層の曲面ボードをMDFで固めて使用しています。エンクロージャは十分に補強されており、表面バッフルの形状はホーンの先端と同一面になっています。

ウーファ用の2個の低域用ドライバはあたかも1つのドライバとして動作するように結合され、カットオフ周波数180Hz/6dB/oct.のアナログ・クロスオーバーが採用されています。

このスピーカーに対して、DEQXのHDP-4は2個のウーファを1つの低域用ドライバとして処理します。

高域用のクロスオーバーを750Hz/48dB/oct.に設定し、超高域には12kHz/48dB/oct.のクロスオーバーをHDP-4に設定しました。

システム全体でみると、20Hzから40kHzまでフラットなレスポンスとなっています。

超高域ユニットはおそらく60kHzまで伸びているはずですが、デジタル信号処理が96kHzなのでアナログ信号は48kHz程度までとなり、そこまでは測定することはできません。

DEQXは操作方法のコツを得たらとても有効だという印象を持ちました。

編集者注:多くのDEQXユーザーはディーラーによる設置調整作業を利用していますが、Greg氏は自分でDEQXの調整をされました。

私の場合、アクティブ・クロスオーバの動作はとても複雑になりましたが、効果は抜群です。

これほどの大型システムともなると、音響測定で満足いくデータを得ることは難しいです。

しかしながら300ポンド(136 kg)もあるシステムにも関わらずその測定はさほど難しくはありませんでした。

そして、DEQX内部の設定は複雑なのにボーカルの帯域が常にとても自然だということが分かりました。

これは、他のいかなる手段をもってしても不可能なことです。

直線位相フィルタと時間補正の結果だと考えています。

このような電子機器は大歓迎です。

Greg


※)脚注:DEQX HD-Activeは、音量の最大ダイナミックレンジ、ドライバの線形性、自然な拡散性、そしてクロスオーバーの分解能を維持できる急峻な直線位相クロスオーバーにより各ドライバに対して、時間と周波数領域を独立して補正します。

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■ アメリカのオーディオ誌「positive feedback」に掲載されたGregへのインタビュー記事の抜粋

 2017年3月3日発売号:An Interview with Greg Timbers, Past Designer/Engineer for JBL
 By Dave Clark
 Issue 90 URL:https://positive-feedback.com/interviews/greg-timbers-jbl/


■ インタビューアーの質問: You use the processors from DEQX, can you explain why?
                ( 貴方はDEQX社のプロセッサを使用しています。その理由を説明できますか?)

< Gregの回答 >

私は長年にわたり自宅でアクティブタイプのチャンネルデバイダーを使ってきました。

それは、パッシブ型のネットワークでは問題となる細部の描写や透明感が得られるからです。

しかし、単純な電子回路ではパッシブタイプのような「音楽性」の達成が難しいと考えていました。

私は素晴らしいアナログのクロスオーバー・システムとデジタル方式の統合に苦労しました。

私が試したより良いと思われる多くのデジタル方式よりもアナログ方式の方が良かったのです。

デジタル方式によるルームEQは多くの問題を自在に解決します。

私はそれによって素晴らしい効果と音色的なバランスを得ることができましたが、音楽性は超えることが出来ませんでした。

私はDEQXについて理解し、試してみることにしました。

私のシステムは非常に複雑なアクティブタイプの4ウェイシステムなのでDEQXの設定にはしばらく時間がかかりました。

私はクロスオーバーポイントでの群遅延を排除するDEQXの能力に興味を持っていました。

これはアナログでは解決できませんが人々は時間を揃えたシステムを持っていると主張しています。

しかし依然としてクロスオーバー領域では群遅延が発生しているのです。

例えば一次方式のクロスオーバー(-6dB/oct.)では個々のドライバの上下の帯域幅を音響的に必要なスロープ"に出来ないため、この問題の解決にはなりません。

FIRフィルタを使うことによって振幅と位相を独立して操作できるため、この制約を克服することができます。

DEQXのハードウェアは本当にうまく実装されていますが、それは難解で、従来からのアナログ的な要素とは一致しません。

それでも、完全な振幅と時間補正はこの難解さを容易に克服し、私に両方の世界のベストを与えてくれました。

今では定在波などの補正や部屋の音響特性を自在に設定でき、更に、ずっと探してきた細部の描写力、躍動感、滑らかさ、そして空気感の表現など、全てが実現できています。

これは私にとっても勝利なのです。


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