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No. ユーザー DEQXの導入機種とシステムの特長 掲載時期
107 大阪府 KY氏 HDP-4 / LINNのSPをマルチアンプで駆動したシステムの初回調整 2019年4月

< 一歩入ると“男の城・趣味の館”と言った風情が漂ってくるKY氏のお部屋 >


< 完全マルチアンプ駆動が可能なユニークな仕組みを持つ LINNのNinkaモデル >


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■ 感 想 文
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・ 長い時間を掛けてユニット間のクロスオーバーやアンプのゲイン調整をしてきました。

・ しかし、サブウーファーとのつなぎ方などは難しく、あまり深くは取り組んできませんでした。

・ また、部屋の音響特性などは測定をするだけでほとんどいじっていませんでした。


・ そんな中、今回の調整を横で見ていてそれぞれの課程で音が確実に変化することが判りました。


< 2Way+サブウーファーを中心に構成されたメインの再生システム >


・ 調整後の感想を一言で言えば 「非常にすっきりとした音が出るようになった」 ということです。

・ 特に中域の明瞭度が格段に向上し、しかも前に出るようになりました。

・ よく出来たホーンスピーカーで聴くようなイメージで、サックスなどのブラス楽器の細かい音の変化が良く分ります。

・ また、ピアノで感じていた付帯音のような余分な響きが無くなり、美しい響きになりました。


・ 例えば、ジョージ・セル/クリーブランドのト短調シンフォニー(ライブでないほう)の第1バイオリンのニュアンス
  などが良く出るようになったと感じました。

・ 自分でも色々と工夫して良くなったと思っていたのですが、今思えばイージーリスニングのストリングのような響き
  に聞こえていたのかもしれません。

・ そして、もう少し出てほしいと感じていたボーイングのニュアンスが今回の調整で見事に再現されました。

・ また、ステレオイメージが拡大し、録音によってはスピーカーの外にまで音が広がります。


・ 更に、サブウーファーとのマッチングがピタッと整ったからか、素直で気持ちの良い低音が出るようになりました。

・ 今まで、部屋の中の何かが共振しているせいで音程がぶれ、上手く聞き取れないような気がしていました。

・ 今回の調整ではサブウーファーのレベルをかなり下げたにもかかわらず量感が大幅に改善され、びっくりです。

・ 60〜150Hzあたりのだぶついた感じがなくなり低音域ががすっきり。

・ そして、それ以下の帯域(超低域)の質と量がきちんと確保された感じです。

・ コントラバスのピチカートが音程までキチンと分かるようになりました。


・ ビル・エヴァンズのライブ録音「Walz for Debby」で感じたのが拍手の生々しさでした。

・ また、ライブハウスにつきものの暗騒音に奥行きが感じられるようになり、驚きました。


・ アニソンも良く聴きますが、いずれも音がすっきりと分離して聞こえるようになりました。

・ 調整中、栗原さんにも話しましたが、今までも録音の癖が少なくなるように自己流で調整をしてきました。

・ これは、癖の無い録音なら更に聞きやすくなるはず・・・と考えての試行錯誤でした。

・ 今回の調整で大幅にクセやひずみ感が減り、更にすっきりと聞こえるようになりました。

・ 歪んで録音された部分もそのままスピーカーから出て、さらにひずみが増加することなくすっきりと聞こえる。

・ エレキのディストーションなどもそのまま出てきて、さらに歪んでぐちゃぐちゃにはならない、といった感じです。


・ 他にも色々と発見がありますが、それはまた改めて書きたいと思います。



< 遊び心満載のLINNスピーカー >            < 完動状態のSONY製ラジカセ >

・ ところで、手元にはメインのHDP-4以外にもう一台、EXPRESSがあります。

・ 中域に不満があったのでボロン製スコーカーのダイヤトーンのDS1000ZXを譲ってもらうことなっていました。

・ しかし、今回の調整で中域への不満がなくなってしまい、どうしようかと悩んでいます。

・ ダイヤトーンやアルテックのスピーカーとEXPRESSを使って勉強がてら楽しんでみようかと考えています。



< 右のALTECスピーカーを鳴らす管球アンプ >      < ALTEC 409-8Eと後面解放型ケース >

・ 昨日は色々とありがとうございました。

大阪府のKYより




◆ 初回調整を終えて(Kurizz-Labo)



< LINN NinkaのSPターミナル >          < 必要な端子間結合を行う専用プレート >

・ L/Cネットワーク方式から完全マルチアンプ駆動まで対応できるユニークなスピーカー端子。



< SPユニットとターミナルの接続図 >          < 端子間の接続で様々な使い方が可能 >

・ 2個のウーファーと1個のツィーターユニットにダイレクトに接続出来る端子があります。

・ 低音用、高音用のネットワークを使ったバイワイヤーやバイアンプ駆動も出来ます。

・ 更に専用のプレートを使えば簡単にL/Cネットワークのシングルアンプドライブも可能です。

・ こんな遊び心を持ったスピーカーシステムをLINNが出していたとは知りませんでした。

・ 余裕の内容積を持つ完全密閉型に仕上げていることも含めて絶賛に値する製品です。

・ 2000年から7年間ほど販売されたとのことですが同様な製品の登場を期待しています。


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■ 測定結果
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[図1]スピーカーの測定結果(サブウーファーの高域フィルターは160Hz)

・ 各帯域とも大変フラットで素直な特性をしています。

・ LINNスピーカーのウーファーも40Hz前後までよく伸びています。

・ 注目点はサブウーファーとウーファーの帯域が40Hzから160Hzで重なっている部分です。



[図2]ルーム測定の結果

・ LINNとサブウーファーの特性(重なり)はそのままで、聴取位置で測定した結果です。

・ 300Hz付近のピークと2kHz付近のディップ、そして70Hz以下のレベルが気になります。

・ サブウーファーの高域を単体でカットしましたが残念ながら全く変化しません(下図)。



[図3]サブウーファーの測定結果

・ DEQXのフィルターでサブウーファーの高域を60Hz(48dB/oct.)に制限したのが上の図です。

・ サブウーファーのレベルを単体で6dBほど下げ(これは有効)、再びルーム測定を行います。

・ 200Hz以下の帯域を整理(調整)することで濁りのないすっきりした低域に変化しました。

・ 聴取位置での測定結果をルームEQで補正したのが次の図です。


[図4]スピーカー補正+ルーム補正を終えた聴取位置での周波数特性

・ 最終的に決定した標準設定(図4)をP1(プロファイルの1番)に記憶します。

・ KY氏の通常の聴取レベルは中庸とのことでこのP1がお薦めでした。

・ しかし、夜はかなり絞って聴くとのことで、P1にラウドネス特性を付加したP2を設定しました。

・ P3はお好みでご自由に設定して頂くポジションとして確保しました。

・ DEQXの初回調整はこれで完了ですが、結果についてはKY氏の感想文をご覧下さい。

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・ 1970年代のSONY製製ラジカセ。鉄道模型の走行制御。ゲーミングPC。そしてオーディオ。

・ ナカミチの1000ZXL。ヤマハのC1とB2等々、オーディオマニアの心を掴んだ製品群。

・ そしてユニークなLINNのスピーカーをとことん使い倒すKY氏の情熱に脱帽でした。


クリズラボ:栗原




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